紙にも存在する「目」について

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皆さんが普段使っているノート・メモ帳・手帳などの紙には「目」が存在していることをご存じでしょうか?
紙にある目は人間の目とは違い、ある一方向に流れている紙の繊維の方向を指します。実は印刷物を作る上ではとても重要な紙目について、今回は説明したいと思います!

紙目について

先ほども説明しましたが、私たち印刷会社が普段使っている紙(洋紙)には目というものが存在します。紙は各製紙会社で作られているのですが、現場では抄紙機と呼ばれる紙を漉く機械に紙の原料であるパルプを流して製造されます。この際、パルプを一定方向に流しながら製造するため、その進行方向に沿って繊維が流れていき、紙目ができていくという仕組みです。

余談なのですが、日本で昔から手漉きで作られている和紙は作業工程上、洋紙のようにパルプを流すようなことがなく、縦と横の繊維が絡み合って出来上がるので特定の目が存在しません。折りなどの加工に向いているとは言えませんが、多方向からの衝撃に対しては同じ厚さの洋紙と比較すると強いのではないでしょうか。

縦目と横目

紙の見本帳を見ると記載されているのですが、平判で使用する紙には大きく分けて「縦目」「横目」の二つの紙目があります。縦目のことをT目、横目のことをY目と表現することもあります!       抄紙機で作られた紙はロール状(巻取とも言う)になっております。枚葉機と呼ばれる印刷機では巻取の紙を使用できないため、ロール状の紙をシート状にカットして使用します。この時にカットされた紙を巻取に対して、平判と言います。ロール状の紙を横向きにカットしたか縦向きにカットしたかで、シート状の紙で縦目と横目ができるという仕組みです。

縦目なのか横目なのか分からない場合に簡単に見分ける方法ですが、対象の紙を折ったり、破ったり、水に濡らすことで判断することができます。

紙目の重要性

ここまで説明しております紙目についてですが、印刷物においてはとても重要な要素のひとつです。紙目の特徴でもありますが、紙の流れ目と平行方向に沿って、折りやすい・破りやすいという特徴があります。

例えば後加工で折りがある場合、折りの方向に沿って目を設定しないと、仕上がりも美しくありませんし、加工自体の難易度も上がってしまいます。折りなどの加工の方向に対して、紙目が垂直になる状態を逆目と呼んだりもしますが、逆目の状態で加工を行うと、折り目部分が毛羽立ったり、割れたりする恐れがあります。ちなみに逆目の対義語として、加工の方向に平行に紙目がなっている状態を順目と呼びます。印刷での取り都合を重視するあまり、紙目が逆目になっていたなんてことも起こる可能性があります。怖いトラブルですね……

また、紙は湿度によって内部の繊維が収縮したり膨張したりするため、紙目に対して垂直方向に曲がってしまうことがあります。皆様が普段の生活で目にする電車にある中吊りのポスターなども、紙が丸まってしまった場合を考慮してあらかじめ紙目を設定していることがほとんどです。

私の経験談ですが、過去に無線綴じ(教科書のように背を糊で固める冊子の製本方法)で作成した本の本文が逆目になっており、時間が経ってきてから紙が波打ってしまったなんてことも……。 加工の際だけではなく、印刷物としてどのように使われるのかも意識するという、細かい気配りによって印刷物のクオリティが左右されてしまうと思うと、改めて身が引き締まる思いです。

まとめ

今回は紙目について説明をしましたが、どちらかというと印刷会社側で考えることなので、印刷を依頼されるお客様側ではあまり関係がないことかもしれません。しかし、どういった場所・シチュエーションで使うのかなどの情報を事前にいただけると、印刷会社側としては製品を製造した後のトラブル回避にもつながることもありますので、ご依頼される際は情報をオープンにして共有していただけると幸いでございます。

紙目の方向によっては用紙の取り都合が変わり、当初予定していた金額よりも高くなってしまったなんてことにもなりかねませんので、これに限らずですが事前にご相談をいただけますと幸いでございます。何かお問い合わせなどございましたら、お気軽にご連絡ください。

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