トレーディングカード 加工方法をご紹介

スタッフブログ

世界中で広く愛されているトレーディングカードですが、国内では一般的に「トレカ」と略され、アニメやイラストをテーマにしたものが特に有名で非常に人気があります。

特にレアカードのような珍しいカードには特殊な印刷や特殊な加工が豊富に使用されており、その高級感や豪華さがトレーディングカードの人気の一因でもあります。今回はトレーディングカードの製作方法や、レア感を際立たせるための印刷技術・加工技術などに焦点を当ててご紹介したいと思います。

トレーディングカードについて

トレーディングカードはキャラクターや写真が印刷された、収集や交換を目的として作られたカードです。これらのカードは購入する他にも景品やノベルティグッズとして提供されたり、コレクター同士の交換などで手に入れることができます。

カードのテーマとしては、スポーツ選手・乗り物・有名人・タレント・アニメやゲーム・オリジナルデザインなど多岐にわたります。

また、トレカを使用したゲームとしてはトレーディングカードゲームがございます。
トレーディングカードゲームは販売されている専用トレカを用いて行うカードゲームのことを指します。ここ数年価格高騰や購入の難しさが話題になったポケモンカードも上記のトレーディングカードゲームに該当します。

トレーディングカードのサイズ

日本で販売されているトレーディングカードは大まかに2つのサイズに分かれます。

<スタンダードサイズ>
幅63mm×高さ88mm

<スモールサイズ>
幅59mm×高さ86mm

サイズに関しては明確な規定がないので上記サイズ以外でも作成は可能ですが、市場に流通しているカードのサイズに合わせることでケースなどの入手性や使用上の利便性が高まりますので、弊社としては上記サイズでの作成を推奨いたします。角は「角丸(角にRをつける加工)」にしておくことで、角がつぶれにくく綺麗な状態を維持しやすくなり、また手や顔に触れても安全に遊ぶことができます。
弊社では上記2サイズのブッシュ型(角丸は3R)を保有しておりますので、型の作成費用が発生せずコスト的なメリットもございます。

素材について

トレーディングカードには「コート系の厚紙」を推奨いたします。コート系の用紙はインクの発色が良いので、絵柄や写真の見栄えが重要なカードにピッタリの素材です。

また、厚みや強度が足りないとすぐにカードが曲がったりしてしまいますので紙の厚みも重要な要素です。四六判220kg(板紙の場合:22.5㎏)以上の厚みの紙を選ぶことで強度を高めることができます。カードの表面にラミネートでPP貼りなどのコーティングを施すことも強度面においては効果的ですが、PP貼りをすることで印刷の色味が変化してしまいます。そのため、量産前に色校正を行いイメージと色味の違いがないか確認することが重要です。

おすすめの印刷・加工方法

トレーディングカードの魅力の大きな要素として、特殊印刷や特殊加工が欠かせません。
加工の組み合わせ次第で様々な表現が可能です。今回はその一例をご紹介いたします。

ラミネート加工(PP/PET)

PP(ポリプロピレン)・PET(ポリエチレンテレフタレート)のフィルムを紙の表面に貼ることで、耐久性を向上させつつ、光沢感やマット感を与え、機能的・視覚的・触覚的な効果が見込めます。
弊社ではホログラム柄のPPも多種ご用意がございます。

箔押し加工

金・銀・赤・青・ホログラムなどの箔を紙に圧着させ、スポットで光沢感を出す加工です。ホログラム箔は見る角度によって色や柄が変化し、特別感を演出できます。
箔押し加工を行う場合は専用の型を作成する必要がございます。

ニス引き(OPニス)

印刷物の表面にニスを塗布することで表面にコーティングができ、それにより印刷物の表面を保護できます。PP貼りと同じくグロスとマットの2種類があり印刷物の仕上がりイメージに合わせて使い分けが可能です。
また、ニス引きはPP貼りのように全面に塗布することもできますし、箔押しのようにスポットで加工することも可能です。

擬似エンボス

2種類の異なる性質のニスを使用して紙の表面に「凹凸」を出し、エンボスのような質感を表現する印刷方法です。紙をプレスすることで加工する従来のエンボス加工に比べ、印刷で表現する分細やかな表現が可能です。部分的に引くことで凹凸や高級感を再現し、箔押しと組み合わせることできらめきと立体感を同時に表現できます。

蒸着紙への印刷

熱加工によって紙の表面にアルミを蒸着させた特殊紙へ印刷することで、印刷では表現することが難しいメタリック感や高級感を出すことができます。また、下地に白を印刷することで紙に印刷したように絵柄をはっきりと目立たせることも可能です。
素材の特性上インクの浸透が悪いので、油性インキや水性のインクジェットよりも速乾性のUV印刷向きの素材です。

高精細印刷

通常175線~200線で印刷されるカラー印刷をそれ以上の線数で印刷する方法です。弊社では300線での高精細印刷に対応可能で、従来の線数に比べ細かい文字など細部の再現性が良くなり、ロゼッタパターンも軽減できます。また、FMスクリーンの印刷にも対応しておりますので、絵柄やデザインによって使い分けるとより綺麗な印刷物に仕上げられます。

ラミコート(LCコート)加工

ラミコート(LCコート)加工はフィルムのホログラム柄を印刷物に転写させるシステムです。トランスタバック加工と呼ばれることもあります。
印刷物表面に紫外線硬化樹脂の塗料を塗布した状態で転写用フィルムを圧着させ、その上から紫外線を照射します。紫外線はフィルムを透過し樹脂を硬化させ、圧着させたフィルムの表面が印刷物表面の樹脂に転写されるので、その後に圧着させたフィルムを剥離させます。 ホログラムだけでなく、フィルムの種類を変えることによってツヤ、マットの加工も可能です。通常のラミネートと違い部分的に加工することが可能です。

また、フィルムレスな加工ですのでラミネートと比較してリサイクル性が良く、従来の手法より環境に優しい加工と言えます。

PET素材への印刷

PET(ポリエチレンテレフタラート)やPP(ポリプロピレン)などの透明材質に印刷する事で、クリアカードやクリアポスターなど、従来の用紙では表現出来ない特有の透明感・光沢感を表現することができます。また、下地にホワイトを印刷する事で透け防止の機能を持たせることができ、それがデザインの幅を広げることにもつながります。

まとめ

これまでご紹介した通り、トレーディングカードは加工の組み合わせ次第でいかようにも魅せ方が選べる印刷物です。
さまざまな印刷方法や加工方法を工夫することで、通常のカードとレアカードの差別化を図り、トレーディングカードの魅力をより引き立てることが可能です。

仕様・予算等のご相談も承っておりますので、オリジナルのトレーディングカードにご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

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