「印刷会社にデータを送ったら、『塗り足しがありません』『アウトライン化してください』と言われてしまった……。」
初めて印刷会社へデータを入稿する方から、このようなお悩みをいただくことは少なくありません。
デザインが完成していても、印刷用データとして必要な設定が不足していると、思わぬ仕上がりになったり、再入稿が必要になったりすることがあります。
しかし、入稿前に確認すべきポイントはそれほど多くありません。以下の5つを押さえておけば、多くの入稿トラブルを未然に防ぐことができます。
- 塗り足し(ぬりたし)
- フォントのアウトライン化
- 画像の解像度
- カラーモード(CMYK)
- 仕上がりサイズ
今回は、印刷会社へデータを入稿する前に確認したい基本ポイントを、初心者の方にもわかりやすく解説します。
塗り足しを設定する
入稿データで最も多い不備の一つが「塗り足し不足」です。
塗り足しとは?
塗り足しとは、仕上がりサイズより外側まで背景や写真を広げて配置することです。
一般的には、上下左右3mmずつ余分に設定します。
例えばA4サイズ(210×297mm)のチラシであれば、データサイズは216×303mmになります。
なぜ必要なの?
印刷物は最後に断裁機で仕上がりサイズにカットします。
この工程では、ごくわずかな断裁誤差が生じることがあります。
塗り足しが設定されていないと、その誤差によって紙の端に意図しない白い部分が見えてしまう場合があります。
塗り足しは、このような仕上がりの不具合を防ぐために欠かせない設定です。
フォントをアウトライン化する
文字化けやレイアウト崩れを防ぐための基本作業です。
アウトライン化とは?
アウトライン化とは、文字を「図形(パス)」に変換することです。
フォントデータのまま入稿すると、印刷会社のパソコンに同じフォントがインストールされていない場合、
- 別のフォントに置き換わる
- 文字間隔が変わる
- レイアウトが崩れる
といったトラブルが発生することがあります。
アウトライン化することで、どの環境でも同じ見た目で印刷できます。
※注意点
アウトライン化すると文字の編集ができなくなります。
そのため、
- 編集用データ(アウトライン前)
- 入稿用データ(アウトライン後)
を分けて保存しておくことをおすすめします。
※PDF入稿の場合は、フォント埋め込みで対応できる場合もあります。印刷会社ごとに推奨する入稿方法が異なるため、事前に入稿ガイドラインを確認しましょう。
画像の解像度を確認する
画面ではきれいに見えても、印刷すると画像がぼやけてしまうことがあります。
その原因の多くが「解像度不足」です。
解像度とは?
解像度とは、画像のきめ細かさを表す数値です。
印刷では、仕上がりサイズで300〜350dpi程度が一般的な目安とされています。
一方、ホームページやSNSで使用される画像は72dpiや96dpi程度で作成されていることが多く、そのまま印刷すると画質が粗く見える場合があります。
また、小さな画像を無理に拡大して配置した場合も、印刷時にはぼやけた仕上がりになってしまいます。
印刷には、できるだけ元データの高画質な画像を使用しましょう。
カラーモードをCMYKにする
「画面で見た色と印刷物の色が違う」というトラブルを防ぐための重要なポイントです。
RGBとCMYKの違い
パソコンやスマートフォンは「RGB(光)」で色を表現しています。
一方、印刷機は「CMYK(インク)」で色を再現します。
RGBで表現できる色の一部は、CMYKでは再現できません。
そのため、RGBデータをそのまま印刷すると、自動的にCMYKへ変換され、鮮やかな青や緑、蛍光色などは落ち着いた色味になることがあります。
色の再現性を重視する印刷物では、デザインソフトを最初からCMYKモードで作成することをおすすめします。
※詳細はこちら⇒【解決】印刷物の色がパソコン画面と違うのはなぜ? | 株式会社ミユキ印刷 MIYUKI PRINTING CO., LTD.
仕上がりサイズを確認する
基本的なことですが、サイズ設定は印刷品質に大きく関わる重要なポイントです。
なぜ重要なの?
仕上がりサイズが注文内容と一致していないと、
- 意図したサイズで印刷できない
- デザインの比率が変わる
- 再入稿や修正が必要になる
場合があります。
特に名刺や封筒、冊子などは規格サイズが決まっているため、データ作成時に正しいサイズを設定しておくことが大切です。
印刷会社が配布しているテンプレートを利用すると、サイズや塗り足しの設定ミスを防ぎやすくなります。
データ作成前に印刷会社のテンプレートを確認しよう
多くの印刷会社では、名刺やチラシ、パンフレットなどのテンプレートや入稿ガイドを公開しています。
最初からテンプレートを利用すれば、仕上がりサイズや塗り足しなどの設定ミスを防ぎやすくなります。
データ作成を始める前に、利用する印刷会社のテンプレートや入稿ルールを確認しておくと、よりスムーズに制作を進めることができます。
まとめ
印刷用データを作成する際に特に重要なのは、
- 塗り足しを設定する
- フォントをアウトライン化する
- 画像の解像度を確認する
- カラーモードをCMYKにする
- 仕上がりサイズを確認する
という5つの基本です。
どれも難しい作業ではありませんが、設定不足が原因で再入稿や修正対応が発生すると、納期の遅れや余計な手間につながることがあります。
また、印刷会社によって推奨するデータ形式や入稿ルールは多少異なります。制作を始める前に入稿ガイドを確認し、不明な点があれば事前に相談しておくことが、スムーズな印刷への近道です。
入稿前にこの5つを確認する習慣を身につければ、印刷トラブルを減らし、イメージどおりの仕上がりにつながります。
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