みなさんは自社の業務を日々どのように対応しているでしょうか?
弊社ではISO9001を取得しているため、製品のトレーサビリティを製品指示書(製品を製造する際に現場へ渡す指示が書かれた用紙)の裏面にデータ印を押印していました。
データ印は「作業者」と「作業日」が印刻された印鑑のことで、この押印を確認することによって、だれが、いつ、どこで、どのような作業をしていたかわかるようになっていました。
営業さんは製品に問題があると、この押印欄を確認し、実際に作業した作業者に確認をとる、、という流れです。
この方法の最大の問題点は、該当製品が今どの工程まで進んでいるか、現場担当者に確認し、探してもらわないとわからないということです。
よく、お客様から「内容に不備が見つかったので一旦作業をストップして!」とか、「データを差し替えたいんだけど、どこまで作業進んじゃってる?」など聞かれるときに「一旦現場に確認しますので折り返します!」というようなやり取りになります。
そして、現場に確認すると、忙しくて対応してくれない、、製品がどこにあるのかわからない、、というような状況になり、お客様への返答が30分~1時間後なんていうのはザラにあります。
このようなやり取りが日々の業務の重しとなって、ボディブローのように残業時間増加に効いてくる状態が続いていました。
低コストで記録をデジタル化
そのような中、印刷会社でアナログな紙を扱っているとはいえ、社内業務の効率化のために、
あまりコストをかけずに記録をデジタル化できないかと模索し始めました。
社内であれば作業状況がすぐわかるように、記録をアナログ的な押印ではなく、デジタルで記録できるようにすることが目標となります。
そこでうまく活用できないかと考えたのがバーコードリーダーを活用した記録方法。
バーコードを製品指示書、作業者、作業項目などに振り分けて、バーコードリーダーで「ピッ!!」っとするだけで記録される。そのようなものが作れないか検討をし始めました。
幸いなことに、製品指示書自体はデジタル化されており、受注Noを連番で発番できる体制になっています。
あとはメーカーに頼んで製品指示書の下部にバーコードを付与してもらえばうまくいけるのでは?と考えました。
最初に導入を検討したのはハンディターミナルです。
デンソーウェーブの超小型計量ハンディターミナル
ハンディターミナルの良いところは、読み取ったコードの内容を媒体の中に保存したり、画面に表示して処理したり、読み取ったその場で作業者が対応できる多機能なところ。
ただ、ネックとなるのはその価格。安くても5万円程度。
高いと20万円ほどのお値段となり、中小企業で導入するには金銭的に厳しい。。
価格がネックとなり導入は断念しました。
次に検討したのが以下になります。
Teraのワイヤレスバーコードリーダー
1次元コードのみ対応で、有線・無線どちらでも使える。
バーコードリーダーらしく、コードの読み取りのみ。
読み取ったコードをその場でどうこうはできない。
良い所はやはりその価格。
amazonとかで3,500円程度で購入ができるため、中小企業でも大量導入が可能!
これならいける!けど、読み込んだバーコード情報をどう処理していくかを考える必要があります。
その場で見ることができないので、読み込んだデータは内容を解析してサーバー側でテンプレートに紐付けて処理することにしました。
幸いなことに、全社共通のwindowsサーバーが元からあり、使い古したPCが複数台あったため、そこで処理するように以下の構成にしました。
セキュリティの面を考えて、受信用PCは外部ネットワークにつなげていません。
バーコードリーダーと各フロア受信用PCの間は、バーコードリーダーの無線機能で接続し、
受信用PCで出力された情報をわかりやすい形に整理してからサーバー本体にデータ送信するようにしています。
サーバー本体では集まった情報を10秒間隔で処理し、製品指示書の受注Noと紐付けをして、だれが・いつ・どのような作業をしたかデータベースに保存します。
あとは各PCやスマホのブラウザ画面で閲覧できるようにします。
下記画像は一部ですが、作業者・作業項目ごとにリアルタイムに記録がされていきます。
現在ではこのシステムに「現品票発行機能」「送り状発行・記録機能」「作業票発行機能」「データサーバー紐付け・階層管理」「品質記録」「メール機能」「PDF生成デジタル指示書」など、さまざまな付属機能をつけて運用しています。
データ量が莫大にはなりますが、データベースの効率化を常に考え対応しており、なんとか問題なく動いています。
まとめ
バーコードリーダーを活用することで、トレーサビリティのデジタル化をすることができました。
現在では、上記のようにさまざまな情報を案件ごとに紐付け、お客様からのお問い合わせに対して営業がいなくても答えられるような体制構築を進めています。
様々なコストは見えない所から少しづつ発生しており、このような地道な作業で全体の効率化を図り、お客様にも社員にとってもメリットのある組織を目指していきたいですね。
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